第3回 大池から桜の薬師寺を描く
【用意するもの】
スケッチブック(F4)、鉛筆(B2)、消しゴム、水彩絵の具、筆(大・中・小)、水入れ、ティッシュ、ペン画用耐水性のペン(0.3〜0.5)
1.広い風景を小さな画面に写生するので、初心者は大きく描いてしまいがち。描きたい風景がスケッチブックにおさまるように、目安として枠を薄く描く。
2.横の線(目線、目の高さより90cm上の高さ)を引く。
3.縦の線(基準線)を引く。高さの目安となる。
4.基準線を中心に鉛筆で薄く東塔、西塔、講堂のあたりをつける。
5.鉛筆で薄く桜の木のあたりをつける。
6.山の稜線を鉛筆で薄く描く。
7.水面の線を鉛筆で薄く描く。
1.枠を消す。
2.建物は上から描く。
3.講堂の屋根は後方を下げて描くと遠近が出る。
4.桜の木は、花の中から見え隠れするので、1本線で描かない。
5.桜の花の外側、桜の花のかたまりを流れに沿って描く。
1.桜のかたまりの中に、小枝、花を描く(しっかり描かなくても良い)。
2.幹に木肌を入れる。桜は横模様が特徴。
3.薬師寺の特徴である、塔の「もこし」に注意しながら描く。
4.若草山ははげ山であるから、もこもことした山に描かない。
5.池のほとりの樹木は簡略化する。
○ 水彩画は、下に塗った色の上に違う色を塗り、下の絵がほのかに上の色に含まれることで雰囲気が出る。
○ 全体を、水分を多く含んだ薄い色で色分けし、イメージをつかむ。
○ 量感を出すために、色を塗るのではなく、色を乗せる感じで。
○ 3色以上混ぜない。混ぜると色がにごる。
○ イメージをつかむために、薄い色で全体に色を入れる。
○ 桜の花は白の中に、ほんのりとピンクが見える。
○ 白色は紙面の白を使う。
1.空に青色を入れて、桜の白を浮き立たせる。桜の外側の鉛筆の線は、絵の仕上がりによって、線の一部を消す。
2.梢の先はよく見ると芽吹いているので、若葉色を入れる。
3.桜のがくの色(赤茶系統)を、ところどころ入れる。
4.桜のピンクをところどころ入れる。
5.後ろの桜は空の色を入れ、乾いてからピンクか薄い紫を入れ、前の桜の白を浮き立たせる。
6.幹には最初から茶色を入れない。色を重ねるうちに茶色系統になる。桜の幹には、樹液の色、ピンク、緑を入れる。
7.薬師寺の西塔、大講堂は新しいので、朱色、黄色を入れる。東塔は古いので茶色を入れる。
8.水面に映る影を平筆で一段と薄い色で、短く縦に色を置く。
9.桜の色、空の色を水面に入れる。
10.散った花びらを地面に入れる。
1.前の桜と後ろの桜に色の差をつける。
2.塔の屋根の下に影を入れる。
3.樹木の影は、桜のかたまりの下に入れる。
4.ポイントになる色は、濃く色を重ねる。
5.遠景、中継を一つの群れとし、それぞれに水を多く含んだ薄い色を入れ、調和をとる。
6.光を描くため、樹木に影を入れる。
7.桜の木の影を入れる。
8.完成したら、全体のバランスを考え、落款かサインを入れる。